Fuseji伏字 ダウンロード

スクリーンショットや写真の個人情報を消すとき — 塗り方の失敗と、渡す前の確かめ方

先に結論

画面のスクリーンショット(スクショ)や、書類をスマホで撮った写真を人に渡す前に、写っている個人情報を消したい場面はよくあります。問い合わせ先に不具合の画面を送るとき、社内の手順書に画面を貼るとき、書類の写真を取引先に送るときなどです。

画像の個人情報を消すときに押さえておきたいことは、次の 3 つです。

  • 塗り方が弱いと読めることがある:半透明のペンや、粗さの足りないぼかし・モザイクでは、下の文字が読めてしまうことがあります。消すなら、下が見えない色でしっかり塗ります。
  • 画像の外にも情報が残ることがある:塗る前の元の写真が写真のアプリに残っていたり、写真のファイルに撮影した場所の情報(位置情報)が付いていたりします。
  • 渡す直前のファイルで確かめる:画面で見た印象ではなく、実際に送るファイルを開き直し、拡大して確かめます。

このページでは、まず消し忘れやすい場所を挙げ、次に塗り方の失敗と、画像の外に残る情報、最後に渡す前の確かめ方を順に説明します。

スクショや写真に写りやすい個人情報

画像は、見せたい部分だけでなく、その周りもまとめて写ります。消したい部分を決める前に、画像の端から端までを一度見渡します。

画面のスクショ

  • 氏名・メールアドレス・電話番号:画面の右上のアカウントの表示、宛先の欄、署名など
  • アカウント名・アイコン:SNS やチャットの画面では、発言した人の名前とアイコンが並びます。自分だけでなく、やりとりの相手の分もあります
  • 通知・タブ・ファイル名:画面の上に出た通知、ブラウザのタブの題名、開いているファイルの名前に、人の名前や案件名が入っていることがあります
  • URL:アドレスバーの URL に、会員番号や検索した語が入っていることがあります
  • QR コード・バーコード:目では読めなくても、読み取ると中に入っている文字が出てくることがあります。何が入っているか分からないものは、消す候補にします

書類や物を撮った写真

  • 書類の文字:氏名・住所・生年月日・各種の番号。写真の端に写った別の書類の文字も見落としやすい場所です
  • 背景に写り込んだもの:総務省の「インターネットトラブル事例集」は、カメラの性能が高まり、「電柱や看板の文字が読めたり、瞳に映ったものが見えたりする可能性も」あると注意しています。また、写真に写り込んだものから、訪れた店や地域など生活範囲が推測できると書いています
  • 封筒・郵便物:宛名のラベルや、机の上に置いたままの郵便物も写り込みやすいものです

小さく写っている文字も、画像を拡大すると読めることがあります。縮小した画面で見て「読めない」と思っても、相手は拡大して見るかもしれません。

画像の塗り方で起きやすい失敗

半透明のペン・蛍光ペンで塗った

画像の編集の道具には、ペンの濃さ(不透明度)を選べるものや、下が透ける蛍光ペンがあります。薄い色や半透明のペンで塗ると、画面では隠れたように見えても、明るさやコントラストを変えると下の文字が読めることがあります。塗るときは、下が見えない濃い色で、文字からはみ出すくらいに塗ります。

ぼかし・モザイクが弱かった

ぼかしやモザイクは手軽ですが、粗さが足りないと、文字の形がそのまま読み取れることがあります。確実に読めなくしたいところは、ぼかしやモザイクではなく、塗りつぶすほうが安心です。

文書に貼った画像の上に、図形を重ねただけ

スクショをワープロやプレゼンの資料などの文書に貼り、その上に黒い四角の図形を重ねて隠す方法があります。この場合、下の画像そのものは何も変わっていません。図形を動かしたり、文書から画像を取り出したりすると、元のスクショが出てくることがあります。文書を PDF にしたときも、作り方によっては画像と図形が別々に残ることがあります。

PDF の黒塗りでも同じ形の失敗があります。PDF で黒い四角を重ねただけのとき何が残るかは、PDF を黒塗り(墨消し)する正しい方法 にまとめています。

一部だけ消して、ほかの場所に同じ情報が残っていた

画面の上のアカウント名は消したのに、下の署名や返信の引用に同じ名前が残っていた、という消し忘れも起きます。同じ情報が画像の中に何回出てくるかを数えてから消すと、見落としが減ります。

消したつもりでも残っているもの

塗る前の元の写真

スマホやパソコンの写真のアプリで塗った場合、元の写真がそのまま残っていることがあります。たとえば Apple のサポートの説明では、Mac や iPhone の写真アプリは、写真アプリの内蔵の道具でも他社製の機能拡張でも、編集したあと「いつでも写真を元の状態に戻すことができます」と書かれています。写真アプリの中での編集は、元に戻せる形で保存されている、ということです。

写真を削除しても、すぐには消えないことがあります。同じく Apple の説明では、iPhone や iPad で削除した写真やビデオは「30日間は『最近削除した項目』アルバムに保管されます」。また、iCloud写真を使っている場合、写真の編集はほかのデバイスにも反映され、削除もほかのデバイスに及ぶと説明されています。

大事なのは、人に渡すのは、塗ったあとの画像として書き出した(保存し直した)ファイルにすることです。写真のアプリの中で塗っただけの写真を、どの経路でどの形で送るかは、アプリや送り方によって変わります。お使いのアプリの説明を確かめ、送る前に、受け取る側と同じ形で開き直して確かめてください。

写真のファイルに付いている情報(位置情報など)

写真のファイルには、目に見える画像のほかに、撮影日時や撮影した場所などの情報が付いていることがあります。こうした画像のファイルに付く情報は、Exif(イグジフ)と呼ばれる形式で記録されていることがあり、まとめてメタデータとも呼ばれます。

Apple のサポートの説明では、カメラアプリで位置情報サービスをオンにすると、撮影された位置の座標が「それぞれの写真やビデオに埋め込まれ」ます。そして、位置情報メタデータを含む写真やビデオが共有されると、「共有相手が位置情報メタデータにアクセスして、撮影された場所を知ることができる場合があります」と書かれています。

同じページには、iPhone や iPad の写真アプリで写真を共有するとき、共有の画面で「オプション」をタップし、「位置情報」をオフにする手順も載っています。オフにすると、「オプション」ボタンの上に「位置情報なし」と表示されます。写真ごとに位置情報を外す手順もあります。ほかのスマホやアプリでは手順が違うので、お使いの機種やアプリの説明を確かめてください。

なお、総務省の「インターネットトラブル事例集」には、位置情報をオフにして撮った写真でも、写真の背景から場所が分かり、生活範囲が特定されてしまった事例が載っています。位置情報を外すことと、写り込みを消すことは、別の作業として両方を確かめます。

渡す前の確かめ方

確かめるのは、画面で塗った直後の見た目ではなく、実際に送るファイルです。

  1. 送るファイルを開き直す:保存したファイル(または送る直前に添付したファイル)を、別のアプリで開き直します。写真のアプリの編集画面で見るのとは別に確かめます
  2. 拡大して見る:塗った部分を大きく拡大し、下の文字の形が透けていないかを見ます。可能なら明るさを上げて見ると、薄い塗りに気づきやすくなります
  3. 画像の端まで見る:画面の上下の帯、通知、背景、写り込んだ別の書類まで、端から端まで見ます
  4. ファイルの情報を見る:写真の情報の画面や、ファイルの情報の画面で、撮影した場所などが残っていないかを確かめます。iPhone の写真アプリでは、写真を上にスワイプすると情報が見られます
  5. 文書に貼った場合は、文書のほうも確かめる:図形で隠していないか、画像を取り出すと元のスクショが出てこないかを確かめます

スクショや写真を貼った PDF を渡すときは、PDF としての確かめ方も要ります。PDF には、画像のほかに文字の情報や作成者などの文書情報が入っていることがあります。黒い四角の下に文字が残っていないか、見えない文字や文書情報が残っていないかは、剥がしテスト(無料)で調べられます。PDF の失敗の型は 黒塗りが「見える」「剥がせる」原因と、渡す前の確かめ方 にまとめています。

Fuseji でスクショや写真を墨消しする

Fuseji(伏字)は、日本語の PDF と画像から、氏名・住所・電話番号などの個人情報を候補として示し、選んだ部分を下の文字ごと焼き込むアプリです。スクショや写真は、Mac 版では PNG・JPEG・HEIC を開けます(Windows 版は準備中です)。

  • 文字を読み取ってから候補を出す:画像の中の文字を Mac の文字認識で読み取り、PDF と同じ手順で氏名や電話番号などを候補にします
  • 決まった形の無いものは囲んで消す:アイコン・QR コード・写り込んだものなどは、ページの上でドラッグして囲めば「範囲として消す」候補に追加できます
  • 消し方は塗りつぶし:黒塗り・ラベル・白塗り+枠線・下線から選べます。ぼかしやモザイクは使いません
  • 画像のまま書き出す:PNG は PNG、JPEG と HEIC は JPEG で書き出し、撮影場所などの情報も取り除きます。原本のファイルは上書きしません
  • 書き出したあとに確かめる:書き出した画像を文字認識で読み直し、消した語が読み取れないことと、位置情報などのメタデータが残っていないことを確かめてから保存します(無料版でも確かめます)

顔写真は、設定で「顔写真を自動で見つける(ベータ)」をオンにすると、範囲の候補として出します。ベータ版のため、見落としや取り違えがあります。Mac だけで、最初はオフです。オフのままでも、ドラッグで囲めば消せます。

検出は「候補の提示」です。漏れがないことを約束するものではないので、最終的な確認は画面で行ってください。処理はすべて Mac の中で行い、画像を外へ送りません。無料版は期限なく使え、書き出したファイルに透かしが入ります。価格は 価格、入手は ダウンロード にあります。

手順のまとめ

  1. 元の画像は残しておく:塗るのはコピーか、別名で保存し直したものにする
  2. 画像の端から端まで見て、消す場所を決める:氏名・連絡先・アカウント名・アイコン・通知・URL・QR コード・背景の写り込み
  3. 下が見えない色で塗りつぶす:半透明のペンや弱いぼかし・モザイクにしない。文書に貼った画像の上に図形を重ねるだけにしない
  4. 塗ったあとの画像として書き出す:写真のアプリの中で塗っただけにせず、送るファイルを作る
  5. 位置情報などを外す:共有のときの設定や、写真ごとの設定で位置情報を外す。手順はお使いの機種やアプリの説明を確かめる
  6. 送るファイルを開き直して確かめる:拡大して透けていないか、端まで消えているか、ファイルの情報が残っていないか。PDF に貼ったなら剥がしテストで調べる

このページは、画像の個人情報を消すときの一般的な注意をまとめたものです。スマホやアプリの機能は版によって変わるので、お使いの製品の公式の説明を確かめてください。どの情報を消すべきかの判断に迷うときは、個人情報保護委員会のガイドラインや専門家に確認してください。

参考