Fuseji伏字 ダウンロード

Android のスマホで PDF を黒塗りして送る前に — ペンで塗った下の文字の確かめ方

先に結論

メールやチャットで届いた PDF を、Android のスマホで開いて、一部を黒く塗ってから送り返したい。申込書の控えの口座番号を隠したい、見積書の担当者の携帯番号を消してから転送したい、といった場面です。

Android では、Google ドライブや Files by Google のアプリで、PDF にペンで書き込めます。黒いペンで太く塗れば、見た目は隠れます。ただし、押さえておきたいことがあります。

  • 見た目が黒いことと、下の文字が無いことは別:文字の情報を持つ PDF の上に線を重ねただけなら、下の文字はファイルの中に残りえます。ペンで塗った PDF がどうなるかは、Google のヘルプには書かれていません
  • 送る前に、そのファイルで確かめる:塗った所の文字を選べないか、隠した語で検索して見つからないかを、保存したあとの PDF で試します
  • 確かめられないときは、下の文字ごと消す道具を使う:墨消し(焼き込み)は、黒い部分の下の文字ごと消す方式です

このページは、Android のスマホで PDF を扱う場面に絞った説明です。iPhone・iPad の場合は iPhone・iPad で PDF を黒塗りして送る前に に、紙をスキャンした PDF は スキャンした PDF の黒塗り に、スクリーンショットや写真は スクリーンショットや写真の個人情報を消すとき にまとめています。

Android で PDF に書き込む道具

Google の公式ヘルプが、Android で PDF に書き込む方法として案内しているのは、主に次の 3 つの入り口です。画面やボタンの名前は、アプリや Android の版で変わることがあります。

Google ドライブ アプリ

Google ドライブのヘルプには、「Android デバイスを使用して、Google ドライブ アプリでタッチペンや指を使って PDF にアノテーションを付けることができます。」とあります。アノテーションは、PDF の上に書き込む印やメモのことです。この機能には Android 6.0 以降が必要です。

使える道具は、マーカーまたはペン・蛍光ペン・消しゴムなどです。ペンは「ブラシのサイズと色を選択します。」とあり、太さと色を自分で決めて塗ります。書き終えたら、「元の PDF を保存するか、新しい名前でコピーを作成できます。」。

Files by Google

Files by Google のヘルプには、「Files by Google では、PDF を編集してアノテーションを付けることができます。」とあります。道具はペン・蛍光ペン・消しゴムなどで、ペンは「ペンのサイズと色を選択できます。」。書き込んだ PDF は、右上の [コピーを保存] から Google ドライブにアップロードして保存します。

Chrome で開いた PDF

ウェブサイトの PDF を Chrome で開いたときは、右下の編集のボタンから書き込めます。Google のヘルプでは、編集を押すと「PDF が Google ドライブで開きます。」。使う道具はドライブと同じペン・蛍光ペン・消しゴムです。Chrome のこの PDF の機能には Android 12 以降が必要です。

3 つとも、黒塗りに使えるのは手で描くペンです。四角を置いて塗りつぶす道具は、これらのヘルプには載っていません。

黒く見えることと、文字が無いことは別

PDF は、文字と書き込みを別々に持てる

パソコンで作った PDF などは、ページの見た目とは別に「文字の情報」を持っていることがあります。文字を選んでコピーできたり、検索で語が見つかったりするのは、この文字の情報があるからです。

その上に黒い線や四角を重ねただけなら、画面では隠れて見えても、下の文字の情報はファイルの中に残っています。PDF を受け取った人が文字を選んでコピーしたり、隠した語で検索したりすると、読めてしまいます。この形の失敗が起きたときの対応は 黒塗りが剥がせた事故から学ぶこと にまとめています。

ペンで塗った場合について、Google のヘルプに書いてあること

このページで見た Google のヘルプは、書き込みの道具の選び方、線の消し方、保存のしかたを説明しています。一方で、ペンで塗った部分の下にある文字が、保存したあとの PDF の中でどうなるかは書かれていません。

また、ドライブのヘルプには、「すべてのアノテーションを表示または非表示にするには、アノテーションの表示アイコンまたは非表示アイコンを選択します。」とあります。書き込みは、元の PDF の中身とは別に、出したり隠したりできるものとして説明されている、と読めます。

書かれていないことを「消えるはず」「残るはず」と決めつけるのは危険です。アプリの版や保存のしかたによっても、結果が変わるかもしれません。だからこそ、送る前に、送るファイルそのもので確かめることが大事です。

送る前にスマホで確かめる

確かめるのは、塗っている途中の画面ではなく、保存したあとの PDF です。いったん閉じてから開き直して試します。

1. 書き込みを隠して見る

ドライブで開き直したら、アノテーションの非表示のアイコンを押してみます。書き込みを隠したときに下の文字が見えるなら、その黒塗りは書き込みとして上に乗っているだけで、下の文字は消えていません。受け取った人の手元でも、同じように隠せるかもしれないと考えてください。

2. 隠した語で検索してみる

Files by Google で PDF を開き、その他のメニューの [ファイル内を検索] を使います。ヘルプでは、「PDF 内の特定のテキストを検索します。」とある機能です。隠した名前や番号の一部を入れて、見つかるかを試します。見つかったら、その語はまだファイルの中に文字として残っています。

3. 塗った所の文字を選んでみる

Chrome で開いた PDF なら、Google のヘルプにあるとおり、テキストを長押しして選び、ハンドルをドラッグして範囲を広げられます。黒く塗った所の近くの文字から選び始め、範囲を黒い部分の上まで広げて、コピーしてメモなどに貼り付けます。隠したはずの語が出てこないかを見ます。

手で試すだけでは見落とすもの

隠す・検索する・選ぶは、だれでもすぐにできる確かめ方です。ただ、白い文字やとても小さい文字、作成者などの文書情報、添付ファイルは、手で試すだけでは見落とすことがあります。剥がしテスト(無料)は、黒い四角の下の文字・見えない文字・注釈で重ねただけの黒塗り・文書情報などをまとめて調べます。アプリを入れずに試すなら、ブラウザで剥がしテスト もあります(PDF はブラウザの中だけで調べ、外に送りません。画像になっているページの中の文字は、ブラウザ版では調べていません)。

塗るとき・保存するときの注意

蛍光ペンは隠す道具ではない

Files by Google のヘルプでは、蛍光ペンは「蛍光ペンでマークするかのように、フリーハンドでテキストをハイライト表示できます。」と説明されています。目立たせるための道具で、隠す道具ではありません。黒っぽい色を選んでも、下の文字が透けることがあります。塗るならペンで、色を黒にして太くし、拡大して透けや塗り残しが無いかを見ます。

元のファイルを残しておく

ドライブのヘルプには、「新しい名前でコピーを保存した場合、元のコピーはマークされないままです。」とあります。Files by Google でも、「新しいコピーをアップロードしても、元のコピーはアノテーションなしでデバイスに保存されたままとなります。」。塗った版を新しい名前で保存しておけば、塗り方を間違えたときに元からやり直せます。送るのは新しい名前のほう、と決めておくと取り違えも減ります。

保存先とファイル名

Files by Google では、書き込んだコピーは Google ドライブにアップロードして保存されます。ヘルプによると、そのときに「ファイル名を変更したり、保存先の Google ドライブ フォルダを選択したりできます。」。ファイル名に人の名前が入っていないか、共有しているフォルダに保存していないかも、送る前に見ておきます。

スキャンで作った PDF

Android でも、ドライブのアプリで紙の書類をスキャンできます。ヘルプには、ドキュメントを「スキャンして、検索可能な PDF ファイルとして Google ドライブに保存することができます。」とあります。見た目は紙の写真でも、検索できる PDF なら、文字の情報が付いているということです。スキャンした PDF だから文字は無いはず、とは考えずに、上の確かめ方を同じように行います。注意は スキャンした PDF の黒塗り にまとめています。

下の文字ごと消すには

確かめてみて、書き込みを隠すと文字が見えた・検索で見つかった、というときは、上から塗り直しても同じことが起きます。元のファイルから、下の文字ごと消す(焼き込み)方式でやり直します。焼き込みは、黒くした部分の下にあった文字の情報を残さず、見た目と中身の両方から消す方式です。考え方は PDF を黒塗り(墨消し)する正しい方法 に、失敗の型は 黒塗りが「見える」「剥がせる」原因と、渡す前の確かめ方 にまとめています。

Android 版の Fuseji

Fuseji(伏字)の Android 版は、PDF(20 ページまで)と写真(JPEG・PNG)を開いて、氏名・住所・電話番号・メールアドレス・マイナンバー・口座番号・会社名などを候補として示し、選んだ部分を文字ごと焼き込んで黒塗りするアプリです。候補は種類ごとの色で示し、タップで消す・消さないを切り替えます。書き出しの前に、消した語が残っていないかを自動で検証し、書き出した PDF は元のファイルとは別に保存します。

読み込み・検出・墨消し・検証は、すべて端末の中で行います。Android 版はインターネットに接続する権限を持っていないので、書類の中身や見つけた語が外に送られることはありません。自動で見つけるのは候補なので、漏れや誤りが出ることがあります。最後はご自身で確かめてから書き出してください。

最初の版は黒塗りだけです。検証レポートと剥がしテストは Android 版には無いので、よそで黒塗りされた PDF を調べたいときは、パソコン版か ブラウザで剥がしテスト を使ってください。

Google Play から無料で入れられます。無料版では、書き出した PDF に透かしが入ります。透かしなしで書き出すには、アプリの中で買い切り(3,980 円)です。パソコン版のキーは Android 版では使えません。入れ方は ダウンロード のページにあります。

手順のまとめ

  1. 元のファイルを残す:塗った版は新しい名前で保存し、元のファイルには手を加えない
  2. 塗る:ペンの色を黒にして太くし、文字からはみ出すくらいに塗る。蛍光ペンは使わない
  3. 保存して開き直す:塗っている途中の画面ではなく、保存した PDF で確かめる
  4. 書き込みを隠す・検索する・選ぶ:書き込みを隠して下の文字が見えないか、隠した語で検索して見つからないか、塗った所の文字が選べないかを試す。スキャンした PDF でも同じように試す
  5. ファイル名と保存先を見る:ファイル名に人の名前が入っていないか、共有のフォルダに置いていないか
  6. 残っていたら、焼き込みでやり直す:上から塗り直さず、元のファイルから下の文字ごと消す
  7. 迷ったら剥がしテスト:送る前に、剥がしテスト で黒い部分の下や見えない文字を調べる

このページは、参考に挙げた Google の公式ヘルプの説明をもとに、Android のスマホで PDF を黒塗りするときの確かめ方を整理したものです。手順や画面はアプリや Android の版、端末によって変わることがあるので、お使いの版の説明を確かめてください。何を消すべきかの判断に迷うときは、書類の提出先や専門家に確認してください。価格は 価格 にあります。

参考