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マイナンバーカードの写しと裏面の個人番号 — 本人確認で受け取る・渡す・保管するとき

先に結論

口座の開設や不動産の取引、会員の登録などで、マイナンバーカードを本人確認書類として出してもらうことがあります。そのとき迷いやすいのが「裏面までコピーしてよいのか」「裏面が送られてきたらどうするのか」です。

答えは、何のためにカードを見るのかで分かれます。

  • 身分証として見るだけのとき:個人情報保護委員会の Q&A は、表面のコピーは問題ないとしたうえで、「カードの裏面の個人番号をコピーすることはできません。」と書いています
  • マイナンバーを集める事務(給与の源泉徴収など)の本人確認のとき:同じ委員会の Q&A は、本人確認書類のコピーを保管する法令上の義務はないが、記録を残すために保管することはできる、と書いています
  • 犯罪収益移転防止法の確認記録に写しを添付する事業者:警察庁(JAFIC)の資料は、マイナンバーカードは裏面の写しを取らない、送ってもらう場合は表面のみ、と書いています

どの場面でも共通するのは、要らない番号は最初から受け取らないこと、そして受け取ってしまったら番号を復元できない形にすることです。どちらに当たるか迷うときは、個人情報保護委員会のガイドラインや所管の官庁、専門家に確認してください。

保険証(資格確認書)・運転免許証などを含む本人確認書類の写しの保管全般は 本人確認書類の写しを受け取る事業者の方へ に、マイナンバーが載った書類を社外に渡すときの注意は マイナンバーが載った PDF を社外に渡す前に にまとめています。

裏面に載っているもの

個人番号と、個人番号を記録した QR コード

個人情報保護委員会などの注意喚起(平成 28 年 6 月)は、「マイナンバーカード(個人番号カード)の裏面には、マイナンバー(個人番号)とともに、マイナンバーが記録された QR コードが記載されています。」と説明しています。QR コードは、目で見ても中身は分かりませんが、スマートフォンなどで読み取れば個人番号が分かります。

つまり、裏面の写しで隠すべきなのは12 桁の数字の部分だけではありません。同じ委員会の Q&A も、裏面の「個人番号12桁の部分及びQRコード」が見られる状態でインターネットなどに載せることについて、番号法の提供制限に違反する可能性があると書いています。

カードケースに入れたままでも、裏面のコピーはできない

カードと一緒に交付されるケースは、個人番号などの部分を隠していますが、QR コードは隠していません。上の注意喚起は、ケースは第三者が目で見られないようにするためのもので、「カードケースに格納することで裏面のコピーを可能とするものではありません。」と書いています。ケースに入ったままの裏面を撮った画像にも、QR コードは写っています。

身分証として受け取るとき:写しは表面だけ

見えただけなら収集に当たらない。書き取り・コピーは別

個人情報保護委員会の Q&A は、身分証としてカードの提示を受けたときに裏面が見えた場合について、次のように書いています。

「個人番号カードの裏面に記載された個人番号を意図せずに見ただけでは特定個人情報の収集に当たらないため、収集制限に違反しません。ただし、個人番号の書き取り、コピー等を行った場合は、特定個人情報の収集に該当するため、収集・保管制限に違反する可能性があります。」(Q6-12)

出す側についても、意図せずに裏面の個人番号を見られただけでは「特定個人情報の提供に該当しません」としています(Q5-10)。

コピーしてよいのは表面

身分証の写しとしてカードをコピーしてよいか、という問いには、こう答えています。

「個人番号カードの表面は身分証明書として広く利用することが想定されており、身分証明書の写しとして使用する目的でカードの表面をコピーすることは問題ありません。一方、番号法で定められた場合以外では、個人番号をコピーすることは特定個人情報の収集・保管制限に違反する可能性があり、カードの裏面の個人番号をコピーすることはできません。」(Q6-13)

窓口でコピーを取るなら表面だけにする。郵送やアップロードで送ってもらうなら、案内の段階で「表面だけ」と書いておく。これが、裏面を受け取らないためのいちばん確実な方法です。申込みの画面や書類の案内に「両面」と書いたままになっていないか、一度見直してみてください。

マイナンバーを集める事務の本人確認のとき

コピーを保管する法令上の義務はない

従業員の給与の源泉徴収や、報酬の支払調書の作成のために個人番号を集める事業者は、番号法の本人確認の措置を行います。この場面で受け取ったコピーについて、個人情報保護委員会の Q&A は次のように書いています。

「番号法上の本人確認の措置を実施するに当たり、個人番号カード等の本人確認書類のコピーを保管する法令上の義務はありませんが、本人確認の記録を残すためにコピーを保管することはできます。」(Q6-2)

あわせて、保管するなら安全管理措置を適切に講じる必要があること、本人確認書類の扱いをめぐってトラブルになる事例があることから、必要な手続を終えて不要になった段階で「速やかに廃棄しましょう」とも書いています。

事務が終わったあと:番号部分を消して保管を続ける選択肢

同じ委員会の「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」第 4-3-(3)B は、事務を処理する必要がなくなり、法令で決められた保存期間も過ぎた場合は、個人番号をできるだけ速やかに廃棄または削除しなければならない、としたうえで、次のように書いています。

「なお、その個人番号部分を復元できない程度にマスキング又は削除した上で保管を継続することは可能である」

ただし、それが個人データに当たる場合は、利用する必要がなくなったときに遅滞なく消去するよう努めなければならない(個人情報保護法第 22 条)、とも続けています。番号を消した写しも、いつまでも持ってよいわけではありません。どの書類をいつまで保管するかは、事業者ごとの規程と、ガイドラインや専門家への確認で決めてください。

確認記録に写しを添付する事業者と、2027 年の見直し

警察庁(JAFIC)の資料:裏面の写しは取らない・送ってもらうのは表面のみ

銀行や不動産業者など、犯罪収益移転防止法で取引時の確認が義務になっている事業者は、確認の記録を作って保存します。警察庁の犯罪収益対策室(JAFIC)の資料「犯罪収益移転防止法の概要」(令和 8 年 8 月 7 日時点)は、マイナンバーカードの扱いをこう書いています。

提示を受ける場合は、番号を書き写さないようにし、写しを取る際には「マイナンバーカードにあっては裏面の写しを取らないようにし」。写しの送付を受ける場合は「マイナンバーカードにあっては表面のみの写しの送付を受け」る。

国土交通省の「本人確認書類として個人番号カード等を用いる場合の留意事項について」(ページに日付の記載はありません)も、写しの送付を受けて確認するときは「個人番号カードの表面の写しのみの送付を受けることで足り」るとし、裏面の写しを受け取ってしまったときの扱いも書いています(次の節)。

2027 年 4 月から:非対面では原則として写しを使わない

写しを使う確認の方法を見直す改正も決まっています。e-Gov 法令検索によると、令和 7 年 6 月 24 日に公布された犯罪収益移転防止法施行規則の改正が、令和 9 年(2027 年)4 月 1 日に施行される予定です。警察庁(JAFIC)の周知用のチラシは、口座開設などで本人確認を受ける際について、非対面では運転免許証やマイナンバーカードなどの IC チップの情報を送る必要があり、「原則本人確認書類の画像や写しを用いることはできません。」と書いています。各金融機関などの判断で、それより前に先行して実施する場合がある、とも書いています。

この改正は、犯罪収益移転防止法の確認をする事業者についてのものです。ほかの業種の本人確認の方法が同じように変わる、という意味ではありません。自社の手続きがどうなるかは、所管の官庁の案内を確かめてください。また、施行の前に受け取った写しや、施行後も写しを扱う手続きでは、ここまでの番号の扱いがそのまま当てはまります。

裏面の写しが届いてしまったとき

官公庁の資料にある 2 つの扱い

「表面だけ」と案内しても、両面のコピーや、両面を 1 枚に並べた画像が届くことはあります。国土交通省の留意事項は、裏面の写しの送付を受けた際は「当該裏面の部分を復元できないようにして廃棄したり、当該書類の個人番号部分を復元できない程度にマスキングを施したうえで、当該写しを確認記録に添付することが必要です。」と書いています。

つまり、裏面ごと捨てるか、番号の部分を復元できない程度に消してから残すか、です。どちらを選ぶかは、事業者の手続きや規程に従ってください。消すときは、裏面に載っているもの のとおり、12 桁の数字と QR コードの両方を対象にします。

紙と PDF・画像で起きる失敗

紙のコピーをペンで塗ると、塗りが薄くて下の数字が透けることがあります。PDF や画像を画面で扱うときは、注釈や図形で黒い四角を重ねただけだと、文字の層がある PDF なら下の文字がファイルの中に残っています。文字を選んでコピーすると、隠したはずの番号が読めてしまいます。

画面で消すなら、下の文字ごと消す(焼き込み)方式を使います。やり方は PDF を黒塗り(墨消し)する正しい方法 に、失敗の型は 黒塗りが「見える」「剥がせる」原因と、渡す前の確かめ方 にまとめています。消したあとの PDF は 剥がしテスト(無料)で、黒い四角の下に文字が残っていないかを調べられます。

Fuseji で消す場合

Fuseji(伏字)は、PDF と画像(PNG・JPEG・HEIC)から個人情報を候補として示し、選んだ部分を下の文字ごと焼き込むアプリです。12 桁の数字のうち、マイナンバーの決まり(検査用の数字=チェックデジット)に合うものを拾うので、ただの 12 桁の数字と区別できます。QR コードや顔写真のように文字でない部分は、ページの上でドラッグして範囲を囲めば消せます。書き出した直後に、消した語が残っていないかを自動で確かめます。原本のファイルは上書きしません。

検出は「候補の提示」で、漏れがないことを保証するものではありません。最終的な確認は画面で行ってください。マイナンバーの消し方の説明は マイナンバーを扱う方へ にあります。

手順のまとめ

受け取る側(事業者)

  1. 何のために見るかを決める:身分証として見るだけか、マイナンバーを集める事務か、犯罪収益移転防止法の確認か
  2. 案内を直す:身分証として使うなら、窓口のコピーも、郵送・アップロードの案内も「表面だけ」にする
  3. 番号を書き写さない:提示を受けたときに、裏面の番号を控えない
  4. 届いた裏面を扱う:裏面ごと廃棄するか、12 桁の数字と QR コードを復元できない程度に消してから残す
  5. 消えたことを確かめる:透けていないか、PDF なら文字を選んでコピーできないかを確かめる
  6. 保管の期間を決める:要らなくなった写しは消す。保存の義務がある記録は、その決まりに従う

出す側(本人)

  1. 求められている面を確かめる:身分証として出すなら、委員会の Q&A がコピーしてよいとしているのは表面。案内に「両面」とあれば、理由を尋ねてもよい
  2. 裏面を撮らない・載せない:両面を 1 枚に並べて撮らない。SNS などに裏面を載せない
  3. 2027 年 4 月以降の口座開設など:非対面では IC チップの情報を送る必要がある。JAFIC のチラシは、運転免許証の IC チップを読み取らせるには 2 つの暗証番号の入力が必要だと書いている

このページは、参考に挙げた個人情報保護委員会・警察庁・国土交通省の資料の要点を整理したものです。個別の手続きで写しをどう扱うかは、個人情報保護委員会のガイドラインや所管の官庁の案内を確かめ、専門家に確認してください。価格は 価格 にあります。

参考