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在留カードの写しを受け取る・保管するとき — 番号・裏面・特定在留カードの個人番号

先に結論

外国籍の人を雇うとき、部屋を貸すとき、手続きを代わりに行うときに、在留カードのコピーを受け取ることがあります。迷いやすいのは「番号は消してよいのか」「裏面も写すのか」「写しをいつまで持つのか」です。このページは、法令と官公庁の資料に書いてあることだけを、場面ごとに整理します。

  • 雇う側は、在留カードの番号も届け出る:労働施策総合推進法の施行規則 第 10 条は、外国人雇用状況の届出の事項に、中長期在留者の「在留カードの番号」を挙げています。確かめる書類は在留カードです(第 11 条)
  • 届出に写しは要らない:厚生労働省は「なお、届出の際には、在留カード等の写しの添付は不要です」と書いています。写しを社内に保管する義務があるとは、この記事で確かめた資料には書かれていません
  • 写しだけでは本物かどうか分からない:出入国在留管理庁は、IC チップを読み取るアプリと、番号の失効情報の照会を案内しています。2026 年 6 月 14 日からの新しい様式では、在留期間などが券面に載らず、IC チップにだけ記録されます
  • 特定在留カードの裏面には個人番号(マイナンバー)が載る:2026 年 6 月 14 日から交付が始まった特定在留カードは、番号法の上で個人番号カードとみなされます。裏面の写しの扱いには、マイナンバーカードと同じ注意が要ります

つまり、在留カードの番号は「何でも消す番号」ではありません。一方で、特定在留カードの裏面の個人番号は、集める理由がなければ受け取らない番号です。何のために写しを受け取るのかで、残すものと受け取らないものが分かれます。個別の扱いは、所管の官庁の案内や専門家に確認してください。

マイナンバーカードの写しの扱いは マイナンバーカードの写しと裏面の個人番号 に、パスポートの写しは パスポートの写しと下の 2 行(機械読み取り部分) にまとめています。

在留カードに載っているもの

表面:氏名はローマ字、番号は英字と数字

出入国管理及び難民認定法(入管法)第 19 条の 4 第 1 項は、在留カードの記載事項として、氏名・生年月日・性別・国籍・地域、住居地、在留資格と在留期間の満了の日、「在留カードの番号及び有効期間の満了の日」、就労制限の有無などを挙げています。

書き方は施行規則で決まっています。入管法施行規則 第 19 条の 6 は、氏名について「法第十九条の四第一項第一号に規定する氏名は、ローマ字により表記するものとする。」とし、番号について「在留カードの番号は、ローマ字四文字及び八桁の数字を組み合わせて定めるものとする。」としています。申出があれば、ローマ字の氏名と併せて漢字の氏名を表記することもできます(第 19 条の 7)。

番号はカードを作るたびに変わります。入管法 第 19 条の 4 第 2 項は「在留カードの交付(再交付を含む。)ごとに異なる番号を定めるものとする。」と定めています。古い写しの番号が、今のカードの番号と同じとは限りません。

裏面:住居地の変更・申請中の記載

住居地を変えたときは、市区町村の窓口に在留カードを出して届け出ます。入管法 第 19 条の 7 第 2 項(第 19 条の 9 第 2 項で準用)は、市町村の長が「当該在留カードにその住居地の記載」をして返すと定めています。出入国在留管理庁の資料「『在留カード』の主な記載内容」(2026 年 6 月 13 日以前の様式の説明)は、住居地に変更があった場合や、在留期間の更新・在留資格の変更の申請をした場合に、その旨が裏面に記載されると説明しています。

つまり、表面だけの写しでは、今の住居地や申請中かどうかが分からないことがあります。運転免許証の裏面と同じ構造です(運転免許証の写しと裏面 を参照)。

2026 年 6 月 14 日からの新しい様式

出入国在留管理庁の「在留カードとは?」は、2026 年 6 月 14 日から「在留カード及び特別永住者証明書についても新様式となり、券面記載事項が変わります。」と案内しています。同庁の Q&A(Q11)によると、新しい様式では在留期間・許可の種類と年月日・交付年月日が券面に載らず、「今後はカード内のICチップにのみ記録されます。」。それより前に交付されたカードも、有効期限までは有効です(Q6)。受け取る写しには、古い様式と新しい様式が混ざります。

雇う側が確かめるもの:在留カードの番号も届け出る

外国人雇用状況の届出

労働施策総合推進法 第 28 条第 1 項は、事業主が外国人を雇い入れたときや、外国人が離職したときに、氏名・在留資格・在留期間などを確かめて厚生労働大臣に届け出るよう定めています。届け出る事項は施行規則 第 10 条にあり、その中に「同法第十九条の四第一項第四号の在留カードの番号」があります。

確かめ方は第 11 条第 1 項で、中長期在留者なら在留カードで確かめる、と定められています。厚生労働省の届出のページも「外国人労働者の在留カード又は旅券(パスポート)等の提示を求め、届け出る事項を確認してください。」と書いています。

写しを出す必要はない

同じページは「なお、届出の際には、在留カード等の写しの添付は不要です」とし、厚生労働省の Q&A(Q7)も「事業主の方から在留カードなどの写しを提出していただくものではありません。」と答えています。あわせて、届出の正確さを担保するのは一義的には事業主なので、在留カードなどで確かめるよう書いています。

ここから言えるのは、番号は届出のために確かめて控える事項だということです。人事の記録から番号まで消してしまうと、届出の内容と照らせなくなります。一方、写しそのものを保管するかどうか、保管するならいつまでかは、この記事で確かめた資料には書かれていません。社内の規程で決め、所管のハローワークや専門家に確認してください。

知らなかったでは済まない場面

入管法 第 73 条の 2 は、事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者などを罰すると定め、第 2 項で、在留資格に応じた活動でないことなどを知らなかったことを理由に処罰を免れることはできない、としています。ただし書は「ただし、過失のないときは、この限りでない。」です。在留カードを見て確かめることは、この意味でも雇う側の仕事です。

写しだけでは確かめられないこと

IC チップを読み取るアプリ

出入国在留管理庁は「在留カード等読取アプリケーション」を無料で配っています。サポートページは、このアプリについて「在留カード等のICチップ内に保存されている身分事項や顔写真等の情報を読み取るためのもの」で、読み取った情報と券面を見比べることで偽変造の有無を確かめられる、と説明しています。利用するときは「御利用の際には、他の身分証明書と同様、本人の同意を得た上で在留カード等の提示を受けることが必要です。」とも書いています。厚生労働省も、届出の確認にこのアプリを使うよう勧めています。

新しい様式のカードでは、在留期間・許可の種類・許可年月日を券面で見られません。同庁は、2026 年 8 月 19 日に公開したアプリの版から、これらを表示できるようにしたと案内しています。紙やスキャンの写しには IC チップの情報が入らないので、写しだけでは在留期間を確かめられないカードがある、ということです。

番号の失効情報の照会

同じサポートページは「在留カード番号の有効性の確認については、在留カード等番号失効情報照会をご利用ください。」と案内しています。入管法施行規則 第 19 条の 14 も、効力を失った在留カードの番号の情報をインターネットなどで提供できると定めています。照会には番号を使うので、確かめ終わるまでは、番号が読める状態で持っている必要があります。

特定在留カードの裏面には個人番号がある

マイナンバーカードの機能を持つ在留カード

2026 年 6 月 14 日から、マイナンバーカードの機能を付けた「特定在留カード」の交付が始まりました。取得は任意です。出入国在留管理庁の Q&A(Q11)は、特定在留カードについて「また、マイナンバー(個人番号)は、カードの裏面に記載されます。」と書いています。新しい様式の(特定でない)在留カードには、個人番号は載りません。

番号法 第 18 条の 5 第 9 項は、交付された特定在留カード等は、この法律の規定などの適用について「第十七条第一項の規定により交付された個人番号カードとみなす。」と定めています。

集める理由がなければ、裏面は受け取らない

番号法 第 20 条は「何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない。」と定めています。個人情報保護委員会の Q&A(Q6-13)は、個人番号カードについて、身分証明書の写しとして表面をコピーすることは問題ないとしたうえで、「カードの裏面の個人番号をコピーすることはできません。」と書いています。

特定在留カードは番号法の上で個人番号カードとみなされるので、身分証として見るだけなら、裏面の個人番号は写さない扱いが、この Q&A の考え方に沿います。源泉徴収などで個人番号を集める事務では、裏面が番号を確かめる書類になります(日本学生支援機構の案内も、番号確認の書類として、特定在留カードを含む個人番号カードの裏面を挙げています)。どちらの場面かで扱いが変わるので、詳しくは マイナンバーカードの写し の記事と、個人情報保護委員会のガイドラインを確かめてください。

注意したいのは、在留カードの裏面を写す習慣がある職場です。住居地の変更を見るために裏面を写していた手順のまま特定在留カードを写すと、個人番号まで受け取ってしまいます。

消すときの注意と、手順のまとめ

消すか残すかは、目的と決まりで決める

ここまでのとおり、雇う側の届出では在留カードの番号は確かめる事項で、失効の照会にも使います。一方、特定在留カードの裏面の個人番号は、集める理由がなければ受け取らない番号です。受け取ってしまった写しの個人番号の部分は、復元できない形で消すことを検討します。写しを外部(委託先・取引先など)に渡すときに、どの欄が相手の目的に要るかは、業種の決まりと社内の規程に従い、所管の官庁や専門家に確認してください。

PDF や画像で消すときの失敗

紙のコピーをペンで塗ると、塗りが薄くて透けることがあります。PDF に黒い四角を重ねただけだと、文字の層がある PDF なら下の文字がファイルの中に残っています。スキャンした PDF でも、文字認識の結果の文字の層が残ることがあります。消すなら、下の文字ごと消す(焼き込み)方式を使います。やり方は PDF を黒塗り(墨消し)する正しい方法 に、失敗の型は 黒塗りが「見える」「剥がせる」原因と、渡す前の確かめ方 にあります。消したあとの PDF は 剥がしテスト(無料)で、黒い四角の下に文字が残っていないかを調べられます。

Fuseji で扱う場合

Fuseji(伏字)は、PDF と画像(PNG・JPEG・HEIC)から個人情報を候補として示し、選んだ部分を下の文字ごと焼き込むアプリです。更新履歴 のとおり、0.1.26 から在留カードの番号(英字 2・数字 8・英字 2)を、0.1.27 から「氏名」などの見出しの後ろのローマ字の名前を候補に挙げます。マイナンバー(個人番号)も、検査用の数字で見分けて候補にします。候補は消す前の目印で、残すか消すかは画面で選びます。雇う側の記録のように番号を残す場面では、候補から外してください。書き出した直後に、消した語が残っていないかを自動で確かめます。原本のファイルは上書きしません。検出は「候補の提示」で、漏れがないことを保証するものではありません。

受け取る側(事業者)

  1. 何のために受け取るかを決める:雇用状況の届出の確認か、契約の本人確認か、手続きの代行か
  2. 現物で確かめる:写しだけで済ませず、提示を受けたカードを読取アプリと失効情報の照会で確かめる(本人の同意を得て)
  3. 控える番号を決める:雇う側は在留カードの番号を届け出る。控えた番号は消さない
  4. 裏面の扱いを決める:住居地の変更などを見るために裏面が要るか。特定在留カードなら、裏面に個人番号がある
  5. 受け取ってしまった個人番号を消す:集める理由がない個人番号は、焼き込みで消してから残す
  6. 保管の期間を決める:写しを持つ期間は、法令に書かれていなければ社内の規程で決める

出す側(本人)

  1. 求められている面を確かめる:裏面も求められたら、何のためかを尋ねてもよい
  2. 特定在留カードなら:裏面に個人番号があることを伝え、要らなければ表面だけを出す

このページは、参考に挙げた法令と出入国在留管理庁・厚生労働省・個人情報保護委員会などの資料の要点を整理したものです。在留カードの様式と手続きは 2026 年に見直されたばかりで、案内は更新されることがあります。個別の扱いは、所管の官庁の案内を確かめ、専門家に確認してください。本人確認書類の写しの保管全般は 本人確認書類の写しを受け取る事業者の方へ、価格は 価格 にあります。

参考